ボイチェフ・プラジモフスキは、1949年ポ−ランドに生まれ、ポーランドが1989年の無血改革を果たすまで社会主義体制のもとで過ごしました。1990年ストライプハウス美術館(当ギャラリー前身)で開催した「After Man Ray vol.3」に出展以来、アメリカ、ヨ−ロッパ各地で「ファミリーアルバム」が紹介され、今やポ−ランドを代表する写真家となりました。
ストライプハウス美術館当時より数えて5回目の展覧会となったがこれは「ファミリーアルバム」に再び焦点を絞っての展示。紹介した作品(約21点展示)は、作家にとって、原点ともいえるものです。どの作品も、セピア調色の一見クラシックですが、エイゼンシュタインや旧東ヨ−ロッパの映像作家に多く見られるモンタ−ジュ作品の手法を使っています。このシリーズは、彼の祖国がもつ、他国による侵攻と弾圧におびえるポーランドの悲しみの歴史と、120年間の三国分断から蘇った1918年のポ−ランドの栄光をファミリ−アルバムの中で巧妙に重層させています。