松沢香代人形展
『温室』

Kayo Matsuzawa & Miyako Kurotani

2005.08.06-25
 当ギャラリーでは2年ぶり2度目となる展覧会です。
前回同様、松沢香代の作品の展示、
 その作品と黒谷都とのパフォーマンスをおこないます。
造形作家・松沢香代が着古した衣類やボロ布で 作る縫いぐるみ人形は
ユーモラスでいじらしく、
それでいてなにか痛々しい印象を与えます。
まるでその人形たちに操られているかのような人形遣い、黒谷都。
幻想的な舞台が六本木の小さなギャラリーで開かれました。

写真:富永光昭


ニンギョウ作家 松沢香代
名前をクリックすると
 略歴がご覧になれます。

松沢香代の創る
ニンギョウやオブジェは、
着古した衣類や
ボロ布で形造られる。
それは、縫物とは違う、
あたかも粘土を
捏ねるかのように
造型されて行く。
着古した衣類やボロ布は、
その痕跡を生々しくとどめ、
且つ変容をしいられる。
形にされるのは
奥深い苦痛や愉悦であり、
通常認識される
形態にも手法にも
ほとんど拘束を受けない。
可愛らしさと恐さの同居する、
動きたそうなモノ達。
やさしい暗闇のニンギョウ達。

今回の展覧会についての
コメント

10年より前のことかも
しれないです。
もっと前のことかも
しれないです。
人形もあんまり動かなく、
人もあんまり動かなく、
その人も
よく知らない人でしたが、
忘れない舞台上の
“人形と人”でした。
そんな
“人形と人の関係”を、
しだいに
他でも探すようになり、
いくつか見るようになり、
ある時はそれは
人形でなくて、
物でも起こる人もいて、
本人も気付いてないような
人もいます。
私と人形とは
作るという関係ですが、
人といる人形と、
又様々な人形との在り方を
みていきたいと思います。


松沢香代の作品たちと人形遣い黒谷都による
パフォーマンス『kaの部屋のku』progressive note 3
黒化 ニグレド

8月12日(金)〜15日(月)・18日(木)〜22日(月)
4:00pm開場/4:30pm開演
音楽構成:山口敏宏(sound ConcRete)
協力:渡辺数憲(渡辺工房)、
   月の娘たち(辻桃江、北井あけみ、塚田次実、加藤知子)
協賛:(株)スタジオタム/宣伝美術:田原政輝、神山武生
写真:富永光昭/制作:長井公彦

「魂の夜がくる。
 

 造形作家、松沢香代。
 人形遣い、黒谷都。
 

 松沢香代が生んだ
 オブジェが生きる空間“ka"。
 

 そのモノたちの発語をささえる
 黒谷都の手“ku”。
 

 結合と分離の繰り返しが
 顕在させるのは再生か腐敗か。
 

 魂の暗い夜、
 漆黒の空が切り裂かれる。」

黒谷都のニンギョウゲキ 名前をクリックすると略歴がご覧になれます。

黒谷都のニンギョウゲキは、人形と人形遣いの在る表現であり、その関係により、心象の物語りを立ち上がらせる。その根拠に、『人形劇を他のジャンルと分ける要素は「人形と人形遣いのいる演劇表現」』というポーランドの演劇学者、ヘンリク.ユルコフスキー氏の規定に立ちつつも、その精神風土には、古来からの傀儡が息づき、自身と人形の水平な関係、また、命が両者を行き来するやわらかい幻惑に特徴がある。
人形とともに、修練して止まぬ技を駆使した表現を、押し退けて、更に立ち現われる、
表現の衣を着ない原初の表出を探って行こうとしている。
ヒトは記憶の棲処、ニンギョウは記憶の輿、クグツメは記憶をはこぶ。
当面の自己の表現を以下のように規定している。

genre:Gray = 奉仕的物体と利己的肉体 或いは 
  利己的物体と奉仕的肉体に よる グロテスク



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