光冨さよ展
ストッキング・WEB


2012.09.19(水)-29(土)

主材料は、パンティーストッキングである。
「パンスト?」と、首を傾げる人が多いと思うが、
毎日、パンティーストッキングを両手に持ちながら23年が過ぎた。
私には何も不思議なことではないが、何故か必ず「ええっ〜」と驚く。
そして必ず、「何故、ストッキングなのか?」と聞かれる。
正直、ひと言で言い表す事が出来ない。
創作が「素材」からスタートしたことが原点だからだろう。
世の中に実在する素材で、単体でも表情があり、手に入れやすく、
しかし、他の人が手掛けていないもの。
それがストッキングであり、私が出会った素材。

1本の糸が折り目正しく織りなす、複雑でありながらシンプルな形状、
どのような足にもフィットする柔軟性と心地よい手触り、そして美しい。
とても存在感があるのに目立たない陰の役割。
出会いから24年、メーカーの開発によって進化し、価値観を上げ、
単なるナイロン生地ではなし得ない表現方法が可能になった。
透明感があり、部位の形状、編目の変化、ナイーブかつ強力な伸縮性など
取り扱いにくい存在でもあるが、魅力溢れる素材だ。
そんなストッキングに敬意を表しながら、取っ組み合いを続けている。

2年前転居の機会があり、関東から東海地方に居を移した。
これは生き方を含めた私的環境の変化を求めたからである。
同時に創作に相対する姿勢、加えて震災に伴う心の変化もあった。     
人間の内在と外在、明と暗、動と静、全ての存在は表裏一体で共存している。
『ストッキング・WEB』は、近年の「ダメージ表現」の総称であるが、
心象と色、かたち、文様との関連など、思考と試行を重ねた上で単色を用い、
更に染色と着色を複合させ、素材を意識した表裏一体の表現は、
複雑に絡み合った現代のネットワーク社会であり、まさにWEBである。
最新作「WEB」は、張りめぐられた巣に生きる人々を現した。
全ての作品は、パンティーストッキングによって築かれた私の造形物である。

良き協力者である「アツギ株式会社」の皆様に心より感謝致します。
2012年9月 光冨さよ

 光冨さよ HPはこちら
高知県高知市出身
1996
作家4人展(スペースゼロ)
日仏合同工芸展(フランス・パリ11区日仏文化センター)
1998 みつとみさよ展(スペースゼロ)
家庭画報大賞 審査員特別賞
1999
ハンズ大賞(東急ハンズ)
2000
みつとみさよ展(赤坂アートスペース花) 
2001 家庭画報大賞 審査員特別賞
みつとみさよ展(銀座スクエアミュージアム)
2002 世界キルトカーニバル名古屋2002
2003 キルト・愛・地球展(名古屋マルイ)
ハンズ大賞(東急ハンズ)
日本ホビー大賞(日本ホビー協会)
AKARIFESTA Gifu 2003(岐阜市)
2004 東京国際キルトフェスティバル
世界キルトカーニバル名古屋2004
神奈川県美術展
かわさき市美術展
ストッキング・アート展(相鉄ギャラリー)
2005 東京国際キルトフェスティバル
県展
東京コンペ
かわさき市美術展
2006 東京国際キルトフェスティバル
神奈川県美術展
かわさき市美術展                        
2007 アツギ株式会社創立60周年記念作品
光冨さよ展「青の構築」(テュフラインランドフォーム)
神奈川県美術展
光冨さよ展「創作タペストリー」(テュフラインランドフォーム)
かわさき市美術展
2008 坂野上の雲メッセージ展(松山・坂の上の雲ミュージアム)
グループ展(京橋・ルクスギャラリー)
カウパレード東京in丸の内2008
かわさき市美術展
2009
六本木デザイナーズフラッグコンテスト
川崎国際環境技術展
京都・花灯路創作行灯デザインコンペ(京都・嵐山花灯路2009)
2010
かわさき市美術展
六本木デザイナーズフラッグコンテスト
アツギ東北株式会社企業PRディスプレイ(青森・むつ市役所)
アツギ株式会社新製品イメージ制作(アツギ株式会社本社展示会場)
神々への捧げものアートコンペ(京都・平安神宮)
豊田市民美術展
2011 六本木デザイナーズフラッグコンテスト
光冨さよ展(ドマーニ名古屋)
2012 光冨さよ展(ストライプハウスギャラリー)








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