池田忠利展 Tadatoshi Ikeda
SCRAP WONDERLAND
2006.05.10-27

池田忠利氏は20年間
グラフィックデザインの仕事に携わっていました。
40歳を過ぎたある時「子供ころから夢だった画家になりたい」
と思うようになり、仕事を続けながら自分の作品に取り組みました。
 そして、1995年海岸に程近い千葉県御宿町に移り住み
本格的に立体作品の制作を始めました。
世界に一つしかない海岸の漂着物を素材に
それらを組み合わせてつくった
コラージュ画やオブジェ作品はユーモラスで、
池田氏の表現することに対する喜びが溢れています。
展示数約15点。




 私の作品の主材料は海岸の漂着物です。
 漂着物の種類は種々雑多で、木や竹、草といった自然のものからプラスチック、発泡スチロール、ビン、缶類など人口のもの。魚、鳥、小動物の死骸・骨などなど…形態も実にさまざまで、創作意欲をそそります。
 アッサンブラージュという技法は、まず断片があり、それを手に作品作りがスタートするのが特徴です。断片は、視点のおき方、組み合わせ・構成で予期せぬイメージを喚起したり、現出したりします。この技法の面白さが、実に魅力的で、平面(コラージュ)、立体作品ともに創作する楽しさが満喫できます。
 波間を漂い、岩に砕かれ、砂に磨かれる時間を経たモノたちの風情は多彩で魅惑的です。なかでも流木の類いは“そのままのカタチがすばらしい!”と思うことが度々あります。が、これらのモノたちはあくまでも素材であり、ノコギリで切断、ボンドで接着、手を加えて色を塗り、私のカタチに変貌させます。
 自然が原形を作り、私が仕上げ作業をして出来上がった作品は、いわば共同作業の産物ともいえます。
 台風や嵐のあと、海辺に出向き漂着物を拾集することが日課の一つとなり、いまや収納スペースに事欠く状態、作業場は満杯ですが、荒天の翌日ともなると血が騒ぎ、ジッとしていられず“断片からのスタート”という名の欲求が、足を海へ向かわせます。
 “もうヤメテ!”狭いアトリエの悲鳴を聞きながら…。

SCRAP WONDERLAND -断片からのスタート 池田忠利
   


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