長 美智子 & 山田 卓生
「箱舟兄弟」
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Michiko Osa & Takuo Yamada
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2005.03.05-26
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長美智子と山田卓生は日本大学芸術学部写真学科を卒業しました。長の卒業制作作品は「芸術学部奨励賞」、「新写真派協会賞」を受賞、山田は「学部長賞」を受賞しました。
現在、長は自分の撮った写真にコラージュを施すという手法で現代社会を斬る作品を創っています。
また、山田は“R領域”というチームを作り、工業部品などの金属、流木、生花やスクラップ場で探してくる特殊素材など様々な素材、さらにサウンドシステムを取り入れ新たな実験的表現方法を開拓しています。
今回、二人は「箱舟兄弟」のタイトルのもと現代の問題と未来への希望を、写真・コラージュ・立体の手法を使って表現します。
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作家コメント |
山田 卓生
果たして、いつの間にか、パンドラの箱は開かれたようである。
現在の人間、動植物をめぐる生態系、地球は幾千年も昔の神話の示した世界最終章ページを捲り始めたと感じる人も最近では増えてきているのではないだろうか。このままでは、地球は暗黒の時代に突入し、かけがえの無い生命は路頭に迷う事になってしまう。
自然破壊、人口爆発、戦争…2005年の現在、あらゆる時限爆弾が世界中にはかけられつつあり、そのタイマーは刻一刻と進んでいる。そのリミットはパ ンドラの箱から全ての不幸が世に出て、最後に希望が産声をあげるまで、もしくは、ノアが天啓を受け、箱舟を造りあげるまでと考えたい。これは、希望的観測であり、それらの神話が真実であるならばであるが…。
生命の進化、知性の発展において、試練は時に起爆装置になり得ると言える。
現在進行形で科学技術は進歩を続け、それは新しい時代を創る重要な要素になっている。クローン技術やロボット、人工知能の発展、、、それが20世紀における原子力になってしまわない様に、私達はもっと高い次元で想像しよう、新世界を再生させるために、もっと意識をひろげよう。そして、人らしい心を持とう。
箱舟は希望であり、異次元を旅する乗り物だ。全ての生命を乗せ、未知の世界に到り着くまで、しばらく大嵐の中を漂流するだろう。箱舟の中でどんな進化が、融合があるかはわからない。私たちは何事にも耐え、希望を持ち続け、日々精進していくしかないだろう。我等、箱舟兄弟。地球という箱舟に乗り、この時代を共に生きる仲間なんだ。
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長美智子略歴 |
1980 |
滋賀県に生まれる |
2003 |
日本大学芸術学部写真学科卒業
日本大学卒業制作 「芸術学部奨励賞」受賞、「新写真派協会賞」受賞
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2004 |
日本大学芸術学部科目等履修生 |
現在は捨てられている雑誌やチラシ、更に自らの過去の写真作品を素材としてコラージュ作品を制作。
素材のもつ「現実性」要素を剥奪し再構築することにより、時代の中で閉塞していく人々の視覚や視覚イメージの混乱→解放を意図する。 |
主な活動歴・受賞歴 |
2002 |
ハッセルブラッドフォトコンテスト 入賞
グループ展 「East meets West」出品 |
2003 |
第30回APA賞 入賞、APA展 出品
日本大学卒業制作 「芸術学部奨励賞」受賞
「新写真派協会賞」受賞
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山田卓生略歴 |
1977 |
東京都に生まれる
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2002 |
日本大学芸術学部写真学科卒業
日本大学卒業制作「学部長賞」受賞
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現在は工業部品などの金属、流木、生花やスクラップ場で探してくる特殊素材など様々な素材、さらにサウンドシステムを取り入れ新たな実験的表現方法を開拓している。 |
主な活動歴・受賞歴 |
1997 |
“mijinko”活動開始 ※(注1) |
1998 |
オーストラリア、メルボルン郊外で行われた野外ライブ参加
equinox主催「strong sun and moon festival@岐阜」参加
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1999 |
equinox主催「秋分祭@長野」参加
北海道に移住 “mijinko”独自のパーティー、デコレーション活動を行う
mijinko主催「hokkaido 1999 open air@北海道、占冠村」
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2000 |
東京へ帰京 “mijinko”から“R領域”へ改名 ※(注2) |
2001 |
equinox主催「juno reactor japan tour@赤坂ブリッツ」参加
techno frax主催「武尊祭@群馬」にて「山田城」建設 |
2002 |
日本大学卒業制作 「学部長賞」受賞
「武尊祭2002@群馬」ゴミリサイクルステーション建設
wakyo distribution主催「atmic reactor tour」参加
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2003 |
邦画「dead end run」試写会@横浜赤れんが倉庫 衣装展示参加
田口スピーカー製作所主催 |
2004 |
Lark freedomvillege主催「countdown party@大桟橋」参加
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プロモーションビデオ映像制作参加作品
ポップスバンド「electric lover」(東芝EMI)
ロックバンド「DOWNY」
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※(注1)当時東京を中心にトランステクノパーティーを主催していた“EQUINOX”のデコレーションチームとして、友人とともに創作活動を始める。以後、屋内・野外、東京・地方、数千人規模のビッグパーティーから数十人規模のアンダーグラウンドなパーティーまでの幅広いフィールドで、サイケデリックトランスという電子音楽がもつ独特の世界観、感覚の表現を育てていく。
※(注2)トランステクノ、デコレーションというジャンルを超えて映像、写真、グラフィックなど新たに表現を広げる。
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