森のなかへ
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白井嘉尚のドローイング+白井洋子の光の繭
Yoshihisa Shirai + Yoko Shirai
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2004.11.23-30
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白井嘉尚は大学院修士課程修了後1980年から静岡周辺地域の現代美術の発展を支えてきた一人です。1998年には静岡の芸術活動として重要な役割を果たしたA-value展創設に参加しました。そして今日まで静岡を中心に海外ではフィリピン、イギリス、韓国などでも展覧会を開催しています。白井洋子は10年ほど前から陶の照明の制作を始め、静岡で個展を開催してきました。
今回の展示では森をテーマに白井嘉尚のドローイングと白井洋子の球形の陶の無数の穴から温かな光がもれる照明で森の豊かな生命力を表現します。作品によって日々の暮らし中に森の気配が満ちることを願うメッセージが込められています。
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白井 嘉尚 |
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〈コメント〉
ドローインクと陶(照明)の二人展、その接点は二人の作者が同じ屋根の下に住んでいることによる。
白井嘉尚は、70年代の末から絵ならぬ「絵」を制作し発表してきた。現在の水性インクやパステルを使ったドローインクも、紙に落とした色斑を手がかりに行方もしらぬまま描きはじめ、おのずと派生する「流れ」を作者と共振させようとするものである。散在する色斑と描線の間にゆらめく形態・空間の輝きを捉えるために。
白井洋子の陶による照明は、ここ10年ほどの仕事である。これまで2度の個展が静岡で開催された。昨年の「光の繭」と題した個展で彼女は、「心地よいと感じる形の、それ以上やったら不快になるという境界に触れる。光を入れる前にそんな形を求めている。光はそれを豊かにしてくれるはず。」とのコメントを残している。
ところで、展覧会タイトルの「森」とは「生」の謂いである。そこは鬱蒼とした樹々、また絡みあうツタや表層をおおうコケもある。それらの背後やものかげにひそむもの、さらに微少な存在、気温や湿気、地中を流れる水も含め全てが連鎖しつつ無限に複雑かつ精妙な混在をなしている。「森」は、感覚を研ぎすまさずにはいられない限りなく豊かなカオスだ。ドローインクでまた陶によって、その森に分け入り、ひそやかな水の流れ、雷鳴、凝集、小さな生命に触れる。私たちの日々の暮らしの中に、その遠い木霊、あるいはその気配が満ちることを願って。
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白井 嘉尚 略歴
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1953
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静岡県下田市に生まれる
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1977,79
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東京芸術大学美術学部卒業。同大学院修士課程修了
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1980 |
個展「鏡のフロッタージュ」(神奈川県民ホールギャラリー;横浜)
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1982-85
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個展「フリー・ジグソーパズル」(東京、静岡にて発表)
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1983-86
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アートスペース展'83,'85,86(静岡市民文化会館) |
1986,87
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第2,3回インターナショナル・ワークス・オン・ぺ一パー(ABCギャラリー他;大阪)
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1987
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「重層する、浮遊。」展(山梨県立美術館;甲府) |
1988
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個展「シャーベットのように」(東京、静岡にて発表) |
1989
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「和紙」展(アンドレアス・ヴァイス画廊他;ベルリン、バーゼル、ケルン)
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1988-95
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A-value展創設に参加
A-valueI,II,III,IV,V,VI,VIII(静岡県立美術館県民ギャラリー)
眼の座標」III,IV,VI(代々木アート・ギャラリー;東京)
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1990-97
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個展「版によるドローイング」(東京、京都、静岡、福井にて発表)
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1994 |
「遍在する波動」展(メトロポリタン美術館;マニラ) |
1995 |
「紙・韓国と日本」展(錘路ギャラリー;ソウル) |
1996 |
「ドリップド・A-Value展」(アヤラ美術館;マニラ) |
1999 |
「和の紙・韓の紙」展(静岡市アートギャラリー)実行委員長を務める。 |
1999-2000 |
文部省在外研修員として英国に派遣される。 |
2002 |
「2002韓日紙の世界」展(バタンゴル芸術館;韓国) |
2004 |
「 Minus One+Underground Party」(Aldwych廃駅;ロンドン) |
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「森のなかへ」ストライプハウスギャラリー;六本木
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その他、グループ展等多数参加
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現在 |
静岡大学教授 |
その他 |
A-Value展I,II,III,IV,V,VI,VIII記録集編案出版(1988-95)
遍在する波動」展(マニラ・メトロポリタン美術館主催)
共同プロデュース,カタログ編集(1994)
静岡大学創立50周年記念美術展」コーディネート,カタログ編集(1999)
『静岡の文化』第61号、「特集:静岡県と現代美術」編集、静岡県文化財団(2000) |
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白井 洋子 |
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白井 洋子 略歴 |
1953 |
静岡県に生まれる |
1977 |
女子美術大学日本画科卒業 |
1978 |
「三人展」(ギャラリー三番館;銀座) |
1997 |
個展「森の宴」(ギャラリー SenSenChi;静岡) |
2003 |
個展「光の繭」(ecomus fit;静岡) |
2004 |
「森のなかへ」(ストライプハウスギャラリー;六本木)
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清水南高校講師・静岡県美容学園講師
子供のアトリエKIDの共同主宰者 |
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