YOKO KAMIJO
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上條陽子作品展
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記録 = DOCUMENT
― 今を問う ―
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Vol.1 2004.06.04-29 Vol.2 2004.07.02-27
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上條氏は、1978年に画家の登竜門である安井賞(第21回)に女性で初めて受賞。(受賞作「玄黄・兆」は現在、東京国立近代美術館蔵)
それから十年後の1987年、二度にわたる脳の切開手術を経験、厳しいリハビリの末に健康をほぼ回復、現在に至る。しかし、その後、病気を節目に絵に対する考え方、画材、手法は変化していった。
1999年、上條氏は機会あってパレスチナを巡回するグループに参加、中東を訪れた。その後2001年には、レバノンにあるパレスチナ難民キャンプで、子供たちに絵画指導を行う。また、2002年に、パレスチナの子供たちを日本にホームステイさせ、相模原市などの協力を得て難民キャンプで描かれた子供たちの作品展を実現させた。
この展覧会「記録=DOCUMENT」では、二ヶ月間にわたり悪化の一途をたどる世界状況の「今を問」った。
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Vol.1 2004.06.04-29 |
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記録=DOCUMENT
― 今を問う ―
上條陽子
1945年広島に原爆を落とされて日本は終戦を迎えた。横浜に住んでいた私は8才であった。原爆は一瞬のホロコーストだ。あの美しい広島に原爆を落としたのは間違いであった。
1999年、ほんの平和な一瞬だったパレスチナのエルサレム、ラマラ、ガザで巡回展をした。多くのパレスチナ人画家と出会った。難民キャンプの生活、破壊された家々、占領された現場をこの眼で見た。現在パレスチナの状況はますます悪化している。絶望的だ。未来はあるのだろうか。巨大な隔離壁の下で人は本当に小さく見える。なぜあんなものが必要なのだろうか。9.11の同時多発テロからアフガニスタンへ侵攻、イラク戦争と21世紀になってどんどん暴力とテロの応酬が続く。恐ろしい時代になってしまった。殺し合いはたくさんである。今回、自己と社会を結び、「記録=DOCUMENT」というテーマで平和を願って表現した。
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Vol.2 2004.07.02-27 |
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上條陽子 略歴 |
1937 |
東京都に生まれる
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1978 |
第21回 安井賞受賞
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1982 |
文化庁在外研修員 |
1983 |
パリ・ドイツ滞在
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1989 |
個展 スペース・ニキ、渋谷パルコ(東京) |
1992 |
個展 池田20世紀美術館(伊東) |
1993 |
個展 空想ガレリア(東京)
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1994 |
個展 石川県立博物館(石川)
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1995 |
「アーティスト・イン・ヨコハマ」(神奈川、カナダ) |
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個展 日本文化センター(シドニー)
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1996 |
「国際展 平澤」(韓国、ニューデリー、ロサンゼルス)
個展 イセ・アートファンデーション(ニューヨーク) |
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1998 |
個展 K美術館(三島)
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1999 |
「東京からの七天使」(パレスチナ) |
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個展 中央大学〈C・スクエア〉(名古屋) |
2001 |
レバノン・パレスチナ難民キャンプにて子供のためのアート・ワークを行う。 |
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個展 色彩美術館 |
2002 |
「DOMANI・明日展」 安田火災東郷青児美術館(東京) |
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個展「記憶の塔」 K美術館(三島) |
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「東方からの灯・ロス国際展」 (ロサンゼルス) |
2003 |
NICAF出品 |
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個展 フクヤマ画廊(相模原) |
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個展 パークタワー・アートプログラム(新宿) |
2004 |
トロント・アート・エキスポ招待出品(カナダ) |
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個展「記録=DOCUMENT - 今を問う -」 ストライプハウスギャラリー |
多摩美術大学客員教授 |
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